【連載】僕は努力することをやめた。 (第4話)

 

前回までの回想

努力しても実らなかった主人公 ゆうじろう は、超娯楽人間になり、バンドをやりはじめる。始めたきっかけになったバンドマンのいるスタジオにたどり着いたゆうじろう=僕は、衝撃の事を、そのスタジオの仙人 斉藤より いわれるのであった。

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「お前はベースを弾いていない」斉藤さんは言った。

 

いや、いや、まったまった。

メロディー弾いてるし、リズムも取れてる。

 

どういう意味なのか 僕 はわからなかった。

 

「斉藤さんそれはどういう意味なんですか?」僕は尋ねた。

 

「お前、本当にわからないのか??」っと斉藤さんはいい、こう続けた。

 

(斉藤さん)「ベースってのは、何を指すかわかるか?」

 

(僕)「この楽器の事ですよね?」

 

(斉藤さん)「そうだ。」

 

(僕)「なら弾けてるじゃないですか!」 

 

(斉藤さん)「いや、お前はベースを弾いていない」

 

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はっ?えっ?どういうこと?この人頭おかしいのか?

そう思った。でも、わかってなかったのは僕のほうだった。

 

斉藤さんがその後、ゆっくり口を開いて僕にこう教えてくれた。

 

(斉藤さん)「ベースってのは、そのボディー、ペグ(音程を調整する部分)、

       ネック、フレット、マイク、弦、アンプ、の楽器に関わる全てを含めて

       ベースってんだ。」

      

      「おめぇさんの弾いてるのは、弦じゃねぇーか」

      「だから、ベースは弾けてねぇって言ってんだ」

 

僕は、こう尋ねた。「つまりは、どーいうことですか?笑」

 

斉藤さんは、まだわからないのか、と言いたげに一つため息をついて続けた。

 

「弦を弾くことで、ボディー、ネック、ペグ、何もかも全てを振動させて音を出せてベースになる。そこから、その音をマイクがアンプに音を繋げて、そしてアンプで、最大限のポテンシャルを引き出せて初めて本当のベースになるんだ。」

 

そして、こうも続けた。

「バンドはな、サッカーと一緒だ。FWがいい動きをするには、複数のポジションの選手がおとりになったり、パスコースを作ったり、カウンターをすることによって、はじめて、FWに最高の形でシュートまで持っていける。バンドで言えば、FWはどの楽器になるかは色々だけど、周りが最高点まで引き出すんだ。」っと。

 

そう、周りや、その楽器のすべてを引き出せたり、癖を見抜けたり、そういうことができなければ、弾けてるとはいえないし、バンドだとは言えない、音楽とは言えないっということだったんだ。

 

僕は全く弾けていなかったことを悟った。

 

この仙人こと斉藤さんは、色々なことを教えてくれる。

音楽以外も、すごく物知りな人だという事なのはすぐにわかった。

本の読む量も半端じゃない。斉藤さんの部屋=スタジオ管理室には、山のようにCDと本があったからだ。

 

次に会う時には何を教えてくれるのかとウキウキした気持ちになって、

僕はスタジオを後にした。

 

次の週、また、僕は斉藤さんによばれた。

斉藤さんの横にいたのは、例の赤い情熱のふんどしマンと、ドレッド兄ちゃんだった。

 

次回へ続く

 

僕は努力することをやめた。(第5話)

<情熱赤ふんどしマンとドレッド兄ちゃん>